彩られた曲線
Colored curves
2018
リハーサル・レコーディング、19 (Mon) Aug 2019、東京
演奏 : 本條 秀慈郎、木村 麻耶
演奏 : 本條 秀慈郎、木村 麻耶
編成 | 三味線、二十五絃筝 |
演奏時間 | 13' |
初演情報 |
25 (Fri) Jan 2019 | 東京オペラシティ・近江楽堂 公演 : 木村麻耶、本條秀慈郎 ジョイントリサイタル -系図の入り口- 演奏 : 本條 秀慈郎 (三味線)、木村 麻耶 (二十五絃筝) |
委嘱者 | 木村 麻耶、本條 秀慈郎 |
献呈 | 木村 麻耶、本條 秀慈郎 |
著作権 | SACEM管理楽曲、Code ISWC : T-704.175.001-2 |
曲目解説
性質の異なる様々な音の相互作用について考えを巡らすとき、和楽器は西洋楽器にはないヒントを与えてくれる。たとえば、三味線と箏はノイズに関して幅広いパレットを備えているのと同時に、ヴィブラートやグリッサンドなど、音を揺らすための表現手段も非常に充実している。また、楽器の成り立ちが比較的シンプルなことから、弦に小物を挟むようなアプローチに対しても可能性が開かれている。今回の作品 «Colored Curves» の作曲は、そのような特質を備えた二楽器を見つめるところから開始した。
作品にあった素材を吟味するなかで、箏、三味線ともに弦を擦ったときの音に注目した。たとえば、三味線の弦の上に撥や爪を滑らせたとき、摩擦によるノイズのなかに大まかな音高のカーブを聴き取ることができる。この性質を足がかりとして、摩擦音、音階、ポルタメントなど、様々な質感のカーブを構造化した。
ほかに、三味線の大きな魅力の一つであるサワリを、楽曲に深く関わらせようと試みた。三味線の弦の上に撥さやをバウンドさせたり、箏の弦に挟んだ菜箸やハニーディッパーを弾くことによって、ビリビリとした響きを得ることができる。これらの奏法により、サワリの複雑な音響を増幅したかのようなパレットを得た。
曲は性格の異なるいくつかの部分から構成されている。幅広い音域を持つ二十五絃箏に支えられながら、重々しい雰囲気から軽く壊れやすい効果まで、さまざまな表現を試みた。また、作品の中間部分では、たゆたうような楽想と、ビートによって突き動かされるような楽想の対比も用いた。後半の無窮動風のセクションでは、津軽三味線で聴かれるポルタメントを応用しながら音楽を白熱させていった。
21 Jan 2019
作品にあった素材を吟味するなかで、箏、三味線ともに弦を擦ったときの音に注目した。たとえば、三味線の弦の上に撥や爪を滑らせたとき、摩擦によるノイズのなかに大まかな音高のカーブを聴き取ることができる。この性質を足がかりとして、摩擦音、音階、ポルタメントなど、様々な質感のカーブを構造化した。
ほかに、三味線の大きな魅力の一つであるサワリを、楽曲に深く関わらせようと試みた。三味線の弦の上に撥さやをバウンドさせたり、箏の弦に挟んだ菜箸やハニーディッパーを弾くことによって、ビリビリとした響きを得ることができる。これらの奏法により、サワリの複雑な音響を増幅したかのようなパレットを得た。
曲は性格の異なるいくつかの部分から構成されている。幅広い音域を持つ二十五絃箏に支えられながら、重々しい雰囲気から軽く壊れやすい効果まで、さまざまな表現を試みた。また、作品の中間部分では、たゆたうような楽想と、ビートによって突き動かされるような楽想の対比も用いた。後半の無窮動風のセクションでは、津軽三味線で聴かれるポルタメントを応用しながら音楽を白熱させていった。
21 Jan 2019
再演情報
· 17 (Sat) Dec 2022 | 公園通りクラシックス(東京)
公演 : 公園通りクラシックス Project「佐藤紀雄 公園通りプロデュース・シリーズ 〜撥弦三昧シリーズ Vol. 11〜」
演奏 : 木村 麻耶、本條 秀慈郎
公演 : 公園通りクラシックス Project「佐藤紀雄 公園通りプロデュース・シリーズ 〜撥弦三昧シリーズ Vol. 11〜」
演奏 : 木村 麻耶、本條 秀慈郎