フォーカス
Focus
2012
プライヴェート・レコーディング
演奏 : 森 あゆみ (クラリネット)
演奏 : 森 あゆみ (クラリネット)
編成 | クラリネット独奏 |
演奏時間 | 5’30” |
初演情報 |
17 (Fri) Aug 2012 鹿児島市庁舎 演奏 : 森 あゆみ (クラリネット) |
委嘱者 | 森 あゆみ |
献呈 | 森 あゆみ |
著作権 | SACEM管理楽曲, Code ISWC : T-703.281.290-3 |
曲目解説
ここ10年間で継続的に管楽器の独奏作品を書いてきた。このシリーズにおいては、時の流れにしたがって美学的、技術的な内容に変遷が見られる一方で、通底する事柄もある。例えば、音高やリズムだけではなく、音の質感そのものによる構造化に一貫して取り組んできたと言える。また、どの作品にも視覚イメージからのヒントがあった。クラリネット独奏のための « Focus » はその最初期の試みである。
タイトルのように、この作品には音による像の明瞭さ、あるいは不明瞭さについての興味が反映されている。クリアな質感の音によって様々なかたちが紡がれる一方で、滲んだりぼやけたり、捉え難い質感の素材がそこに対置されている。例を挙げると、作品の前半では音域の広い特殊なトリル、あるいは極端に狭いトリル、重音奏法などによって像のぶれたような効果を追求した。また、後半では弱音による極限の高音や、意図的に「裏返った」音による素早い動きによって、何かが視界から遁走する様子を描いた。
(13 Aug 2021)
タイトルのように、この作品には音による像の明瞭さ、あるいは不明瞭さについての興味が反映されている。クリアな質感の音によって様々なかたちが紡がれる一方で、滲んだりぼやけたり、捉え難い質感の素材がそこに対置されている。例を挙げると、作品の前半では音域の広い特殊なトリル、あるいは極端に狭いトリル、重音奏法などによって像のぶれたような効果を追求した。また、後半では弱音による極限の高音や、意図的に「裏返った」音による素早い動きによって、何かが視界から遁走する様子を描いた。
(13 Aug 2021)